noveで企画

アプリnovelnove交流による企画。

「伊」グループ

「伊」グループ

 

以下の文章と作者とを対応させて回答して下さい。

 

 

【参加者】

 

夏草 流翔ユリア 瑞原 ハイリ なるばなな カブトムシご飯 Dr.K 唐草 真月乃 10saoto

 

 

・回答例

「A-1.B-2.C-3.D-4・・・」

 

 

【課題文】

 

 A

写真を撮ろうと彼女は言った。

どういう風の吹き回しかと問うと、思い出って大事だよねとか何とか、微妙に答えになっていない答えが返ってきた。僕は黙ってスマホのカメラを起動し、彼女に向ける。雑誌を捲る彼女は気づかない。
液晶越しの彼女はひどく優しい顔をしていた。撮るなら今だ。
ボタンを押すと、シャッター音が鳴り響く。気付いて振り向いた彼女は少しだけ唇を尖らせたけれど、すぐに何でもない瞬間も思い出だねと笑った。

 

 

写真を撮ろうと彼女は言った。

いつもの公園で。彼女を失って三ヶ月。突然戻った理由を聞けば、今すぐ消え去りそうで怖い。三脚を立ててセルフタイマーをかける。これが最後の写真かな? そう言って横目で彼女を見ると、ほほえむ彼女はすでに半分消えかけていて、あわてて抱きしめたけど光の泡だけが残された。せめてシャッターが切れるまで待てなかったの。そう言って泣く僕を、カメラは世界から切り取った。

 

 

写真を撮ろうと彼女は言った…。

「だが、待て」
オバケの僕はそう言ったのだ。
彼女「何?あんたオバケの癖に」
僕「君だってオバケだろ?」
彼女「私は幽霊さんよ」
僕「それって同類だから」
彼女「だから何で」
僕「あの二人は今いい感じなんだよ、人生に於いて決定的に【心が洗われる】瞬間までもうすぐさ」
彼女(何さ…また…馬鹿)
彼女「私の事、好き?」
僕「え?何で」
彼女「好き?」

──/カシャ。

 

 


写真を撮ろうと彼女は言った。
僕はいつもの様にカメラフレームをクルクル回して彼女に最適なアングルを探る。
とは言え、彼女に合わないアングルなどこの世には無い。
PCの画面の中の彼女は、僕が造った理想の美少女で、僕に微笑んだり、時には理性を壊しそうになる程のポーズを披露してくれる。
3Dで造った彼女は立体であっても結果は2Dだ。触れる事が出来無い理想の彼女を今日も僕は僕の為に二次元に捕らえ、愛でる。

 

 

写真を撮ろうと彼女は言った。
良いよ。
僕は鞄からカメラを取り出す。

すると彼女は何故か怯え始めた。
待って、そのカメラは…!
僕はシャッターを押してしまった。

撮影後、目の前にいた彼女がいない。
何故だ?

ここよ、ここ!助けて!
何故かカメラから聞こえる彼女の声。
怖くなってカメラを捨てて逃げた。

僕が持っていたカメラが実は被写体の魂を食らう呪いのカメラだと知ったのは数日後の事だった。

 

 

写真を撮ろうと彼女は言った。
どうして。
そう言った僕の声は、小さすぎて彼女には届かない。
君は写真が大嫌いだったじゃないか。
第一、この間僕がカメラを取り出しただけで君は痙攣を起こしてしまった。
あの時を思い出してしまうから、やめて、と。

一体この数日間で何があったのかは分からないけど、彼女の中で何かが変わったのは事実だった。
「ね、写真、撮ろうよ」
彼女は明るく言う。

 

 

G

写真を撮ろうと彼女は言った。

澄み渡る空に手を伸ばし、わたしはスマートフォンを掲げる。ふたつの笑顔がフレームに収まるように。揺れるウサギのストラップが止まったらシャッターチャンス。柔らかな日差しの中、クロッカスの花壇を背景にしてまたひとつ想い出を刻んだ。
「わァ、綺麗に撮れたね」
画面を覗き込む横顔が無邪気に微笑んだ時、寒風がわたしたちの頬を撫でて通り過ぎた。まもなく訪れる別れを思い出させるように。 

 

 

H

 写真を撮ろうと彼女は言ったが、あのとき俺は断った。
俺は写真が嫌いだった。誕生日は来年も来るし、あの遊園地にももう一度行けば良い。写真なんかなくたって本当に大切なことは思い出せる。そう思っていた。しかしそれは弱さだった。不確かな「次」を彼女に強要し、安心しようとする俺の弱さ。たぶんだから彼女はいなくなったのだろう。
彼女のいた景色。どんなにがんばって思い出そうとしても、今ではただの不鮮明な記憶だ。

 

 

I

写真を撮ろうと彼女は言った。
彼女の手には一昔前のインスタントカメラが収まっていた。フィルムがないからただのガラクタだったのに。彼女はどこから見つけてきたのか。撮れるのは1枚だけだと言う。何を撮ろうか。今みたいに直ぐに確認は出来ないし撮り直しも出来ない。悩む私の手を彼女は引っ張る。どうやら撮りたいものは決まっているらしい。引かれるままに立ち上がれば、カシャリという音。不意打ち成功、と彼女は笑った。

 

 

写真を撮ろうと彼女は言った。そこまでは良かったのだが。

「じゃあ撮るよー」

はいチャンポン!

「「 え!? 」」

「どうしたの?笑って笑って!」
笑えるか!代表して俺は言った。

「チャンポンってなんだよ」

「チャンポンは長崎の名物で……」
そうじゃなくて!長崎育ちの彼女に色々説明すると、

「へえ。でも私はチャンポンが好き」
我が道を行く彼女に自然と笑いが溢れた。

はいチャンポン!!